肝・胆・膵外科手術
  • 大腸領域肝・胆・膵領域

    岡山大学病院では、肝臓、膵臓、胆道に関連する良性および悪性疾患に対して、積極的に腹腔鏡手術やロボット支援手術などの低侵襲治療を行っています。
  • これらの肝胆膵領域の手術は、従来では大きな開腹創を伴う、身体的負担の大きい手術が一般的でした。しかし当院では、可能な限り傷の小さい「低侵襲手術(Minimally Invasive Surgery)」を導入し、患者さんの痛みや術後合併症のリスクを最小限に抑え、早期の回復と社会復帰を実現できるよう努めています。岡山大学 肝・胆・膵外科では、全国に先駆けて、2020年にロボット支援膵切除術(ダ・ビンチ手術)を導入しました。続いて2022年にはロボット支援肝切除術および総胆管拡張症に対するロボット支援手術を開始し、2025年5月時点で、肝胆膵領域のロボット手術件数は累計360例を超えました。ロボット支援手術によって術後の入院期間が短縮され、より早い日常生活への復帰が可能となっています。
  • 肝臓疾患に対する肝切除では、当院では全体の約50%以上を腹腔鏡またはロボット支援による手術で対応しています。肝細胞がんや転移性肝がんなどの悪性疾患に加え、過去に開腹手術歴のある患者さんでも、画像評価や全身状態を総合的に検討し、安全性を確認した上で、積極的に低侵襲手術の選択肢を提供しています。
  • 一方、膵臓疾患に対する外科治療も進化を遂げており、2024年は膵臓手術82例中、約70%以上がロボット支援手術で行われています。とくに「膵頭十二指腸切除術」は、膵頭領域疾患に対する標準的な高難度手術であり、複雑な消化管再建を伴うため、高度な技術が要求されます。当院では、2022年9月に中国・四国地方で初となるロボット支援膵頭十二指腸切除術に成功し、それ以降も症例を重ねています。低悪性度の膵腫瘍や胆道・十二指腸腫瘍にはロボット支援手術が有効であり、膵臓がんのような進行がんにおいても適応を慎重に見極めたうえで、積極的にロボット支援手術を行っています。
  • さらに、先天性総胆管拡張症の手術にも当院は対応しています。この疾患は稀少であり、再建精度の高い専門的な手術が求められるため、ロボット支援手術を安全に実施できる施設は国内でも限られています。岡山大学病院では2022年7月にロボット支援手術を導入し、中国・四国地方を中心に全国から患者さんを受け入れています。
  • 肝切除術・膵切除術・肝移植 症例数
  • ロボット支援手術症例数