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肥満外科
- 肥満症は、単なる体重増加ではなく、医学的に定められた診断基準に基づくれっきとした疾患です。しばしば「自己管理の問題」と見なされがちですが、実際には遺伝的背景や子どもの頃の発育環境、さらには社会的・心理的要因など、多様な要素が関わって発症することが明らかになっています。治療は一筋縄ではいきませんが、当院では医師のみならず、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床心理士など、専門職が連携した「多職種肥満症治療チーム」を結成し、患者さん一人ひとりに寄り添った包括的なケアを提供しています。
- 肥満症治療には、食事や運動の見直しといった行動療法、薬による薬物療法などがあり、その中の一つに“外科療法(手術)”があります。一定の基準を満たした患者さんには、保険適用で腹腔鏡を使ったスリーブ状胃切除術を受けていただくことが可能です。この手術により減量が期待できるだけでなく、糖尿病などの代謝異常が改善し、寿命の延長に関する報告もあります。
- 手術はあくまで最終手段ではありますが、まずは6か月以上の減量治療を行ったうえで、必要に応じて手術の可否を慎重に検討します。手術を受けられた場合も、定期的な通院を通じて減量を維持し、再発予防や合併症の管理を継続的にサポートします。
- 当院では、腎臓・糖尿病・内分泌内科と連携し、肥満症の総合的な診療を行っています。初めて当院を受診される方は、まずかかりつけ医の紹介をもとに、腎臓・糖尿病・内分泌内科の外来予約をお取りいただき、ご来院ください。
- 胃切除方法の模式図
- 術後のBMI(Body Mass Index)の推移
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詳しくは岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
消化器外科学のサイトをご覧ください。
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